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眠れぬ雪獅子 10/22マチネ・ソワレ 

テンジン:東山義久
ドルジェ:伊礼彼方
ラルン:小西遼生
ぺマ:山田ジルソン
ラン・ダルマ/ワンドゥ:今井清隆
ターラ/ドルガ:保坂知寿


ロミジュリの感想も書けていないままですが、ちょっとまずこっちを今のうちに書いておきたい。
はじめに観に行ったのがロミジュリ大楽の3日後でまだまだ心はヴェローナにあったんですが、この『眠れぬ雪獅子』も想像以上に大好きになりました。

私は東山義久さんが好きで、いっしょに行った友達は伊礼彼方さんが好きなんですが、観劇後は手をとりあって自分の好きな俳優さんが素晴らしい舞台で素晴らしい演技をするのを観られる喜びを分かち合ったわ。
私いままでもその友達にしょっちゅう「義くん天使」って言っては微妙な顔されてたんだけど、観劇後に「今回ばかりは認める。義久天使。」って言ってくれたww
勝利である。

まとめるのがへたくそなので、とりあえずキャストごとの感想にしときます。


<東山義久:テンジン>

このテンジンという役、好きにならざるを得ない。
天真爛漫で、彼が出てくるとパアっとあたたかい光が差して、背景に緑の草原が広がるような感じ。
圧倒的な『陽』なんだけど、とても聡い。世の中の苦しさつらさを知っていて、人の痛みを知っている。知ったうえでの明るさなので、ただ無邪気なわけでなく深く優しいです。

ドルジェとはじめて会ったシーンでひどく怒鳴られて、そのことを仲間たちと茶化すのだけど、ふっと表情を変えて「かわいそうに」と言うテンジン。「あの男、悲しい目をしていたよ」と。
ここの声音と表情が、ほんとうに優しい。
全編を通して言えることなんだけど、テンジンはほんとうに優しいんです。優しい人を優しいと思うのは理屈じゃないと思うからとても難しいんだけど、なにげない会話の声の色や表情からにじみ出るものがある。

テンジンが歌う歌のなかでは、『俺たちの戦い』と『絶望』が好き。
『俺たちの戦い』はリプライズのように、場面を変えて何度も歌われます。歌詞が同じでも心情や覚悟のほどが変わり、簡単な言葉たちなのに胸にずしんときます。
なかでも洞窟で寝転がったテンジンがひとりで「明日を信じ恐れず 祈りささげ」と口ずさむところが大好き。テンジンが光のかたまりみたいに見え、希望のかたまりにも見えた。

それにしても、東山義久という人のなによりの魅力は笑顔だと思う。
あんな笑顔を向けられたら、ドルジェでなくとも心をほどかずにはいられないでしょ。
見た目やダンスから、どちらかというとセクシーでクールな印象を持たれがちな気がするし、DDの公演とかでギラギラ踊るのも好きだけど、こういう役はもっと好きだな。
ギラギラ光る感じではなくて、内側から湧いてくるような光。テンジンはお星さまみたいです。

この舞台をおすすめするのに、「とにかくテンジンの笑顔だけでも観る価値あるから!」と言いたい。それぐらい、なんだか尊いかわいらしさ。
ダンスも相変わらずすごいんだけど、今回は歌と演技という感じがした。明るい役で薄っぺらく見えないのは、義くんの声質がわりと低く穏やかで包容力が感じられるせいもあるかな。
あと、彼方さんと少し声の感じが似てるのでデュエットがすごくきれい。彼方さんとは見た目がまったく似てないのに、二人で並んでいるとふわっと良い空気が流れてきます。


<伊礼彼方:ドルジェ>

ドルジェというひとが立っている後ろには、険しい山脈が見えます。
テンジンとは正反対で、重い石をずっと腹にかかえているような佇まい。
それがテンジンと接することで少しずつ少しずつ目に光が灯っていく様子は、とてもきれいです。

テンジンに「どうして俺を選んだんだ?あんた道化の芝居にあんなに怒ってたのに」と聞かれ、そっぽを向きながらぎこちなく「たぶんお前が…怒らなかったからだ」って言うシーンなんて、すごくかわいいの。不器用で律儀で愛情深い人なんだなというのが無理なく伝わってくる。

ドルジェの歌では『言葉の力』が好き。
詩人をこころざしながらも、言葉では何も救えないと絶望するドルジェ。「心をつなぎ 慰め愛し 勇気を与える」力は、もう言葉にはないと嘆きます。
でもそののちに、テンジンはその身と心でもってドルジェに「心をつなぎ 慰め愛し 勇気を与え」てくれる。そしてドルジェの言葉にもその力があるんだと教えてくれる。
そのことを思うと胸が詰まります。

あとほんとに一番好きな台詞がね、「星が降るようだな」。
これは「あんたは俺に大事なものをあずけてくれた。だから友達だ」というテンジンの言葉に対する返事なんですが、なにそれもうなにそれーとこっちが恥ずかしくなったわ。
このときの表情も良くて、凍った心が溶けたような無防備な顔をしていました。
いっしょに観た友達と、今度からとても嬉しいことがあったときは「星が降るようだな」って言おうねと決めた。

彼方さんを生で観るのは初めてだったんだけど、彼方さんファンの友達いわく素は『陽』の人なんだとか。
今回のドルジェはあからさまに『陰』だけど、はまっていたように思います。
哲学者のような眉間が、心の深い人という印象。


<小西遼生:ラルン>

テンジンの前世という設定ですが、テンジンとは印象がまったく違います。
ラルンは真面目で一途な僧侶。仏教に一途にその身をささげるあまり、暗殺者となってしまう。繊細で、危ういような感じも受けます。

テンジンとラルンはまったく別のシーンで同じメロディーの曲を歌うんだけど、そこではじめて前世と現世のつながりが分かった。
その曲、『教えてください』は両方大好きです。苦しみは変わらず、でも二人とも自分の力で道を見つける。

小西さんは声質が繊細でちょっと潔癖そうな感じがするので、役に合っていると思いました。
でも「小西さんスタイルよすぎて僧衣の中にもう一人いるように見える」って友達に言われてから、もうそうとしか見えないんだけどどうしたら。


<山田ジルソン:ぺマ>

まったく知らない俳優さんだったけど、これは特記せねばと思うほどすごかった。
ぺマはラルンの弟でドルジェの前世なので、かなり重要な役回り。
なにがすごいって演技がすごかったんですが、うーん、なんて言っていいのか分からない。
とにかく、すべての台詞に嘘がないんです。
真摯で、切実な感じがする。

華があるとか、すごくうまい情感溢れる演技というんではなく、その役としてそこに存在しているとしか言いようのない佇まいでした。
縄にかけられ、言葉の無力を嘆き、生まれ変わったら私は暗殺者になりましょう、と歌うシーンは圧巻。歌がうまいわけではないのに、毎回鳥肌がたった。
歌ってるっていうよりこれは、心からの叫びなんだよね。

あと小西さんと外見はまったく似てないのに、しっくり兄弟でした。
たぶん声の感じが似ているのと、ぺマがあまりにも弟だったから。



キャラクターについて書いたけど、いち舞台としても素晴らしかったです。
舞台というものを愛してる人が、妥協せずに作った感じがする。
あと主題に対する取り組み方というか向き合い方がとても真摯です。
だからほんとに全体にいい空気が流れてて、みんなが自分の役割を良く分かっている。
心の動きを無理なく追えるストーリーも好きだし、聴かせる歌ドーンっていうより物語のなかに織り込むような歌の使い方も好き。
公演期間が短いのがさみしいです。再演してほしいな。






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